🍅この記事でわかること
- 病院管理栄養士として働いていた頃のリアルな仕事内容と生活リズム
- 役所に転職してから感じた生活や働き方の変化
- 「治療」と「予防」の違いに戸惑った経験とやりがいの変化
- 病院と役所、それぞれに向いている人の特徴
- 実体験から見えた、働き方を選ぶ上で大切にしたい視点
はじめに|どちらも経験したからこそ言えること
「病院の管理栄養士、ハードすぎる…」「転職したいけど、行政ってどうなの?」
そんな風に悩んでいませんか?
私は、急性期病院で6年間管理栄養士として働いた後、市役所へ転職しました。
この記事では、両方の職場を経験した私が感じた「働き方の違い」「やりがいの変化」「それぞれに向いている人」について、正直にお伝えします。
転職に迷っている管理栄養士さん、ぜひ参考にしてください。
病院で働いていた頃のリアル
急性期病院の仕事内容と生活
急性期病院での管理栄養士の仕事は、スピードと正確さが求められる毎日の連続でした。
- 朝は8時台に出勤し、病棟対応からスタート
- 午前中は栄養指導や入院患者の食事調整、カンファレンス
- 午後はNST、再び調整・栄養指導、書類作成(栄養管理計画書など)
- 急変や緊急入院による予定変更も日常茶飯事
緊急入院や患者の状態の変化により予定が大きく変わることも多く、昼休憩が取れない日も少なくありませんでした。気づけば定時を過ぎ、帰宅はいつも遅め。まさに生活は”仕事中心”の日々でした。
医療チームとの連携でやりがいを実感
- 医療従事者同士で知識を共有しながら対応
- 食事や栄養剤の調整によって検査値や症状が改善
- チームで患者さんを“元気に退院させる”というゴールに向かって働く一体感
患者さんの検査結果や体調が良くなるのを目の当たりにできることが、何よりの喜びでした。
「もっと知識を深めて、多くの患者さんの役に立ちたい」——そう思える日々だったのです。多職種と協力し、患者さんが元気に退院できることをゴールに頑張れる環境は、私にとって大きなモチベーションでした。
管理栄養士として市役所に転職して感じた変化
勤務時間・残業・休みの違い
- 勤務時間:9:00〜17:00(休憩1時間)
- 残業は月に数時間程度
- 土日祝は完全休み、カレンダー通りの生活
朝にゆっくりご飯を食べて出勤できたり、仕事終わりに友人と食事に行けたりと、“自分の時間”を持てる生活になりました。体調も安定し、精神的にも余裕が持てるようになったのは大きな変化でした。
仕事内容の変化|治療から予防へ
病院が”治療”中心だったのに対して、行政での業務は地域住民に向けた”予防”や健康づくりが中心になります。
主な業務内容
- 健診後の保健指導(訪問・電話・来所)
- 子育て世代・働き盛り世代・高齢者向けの講話や教室
- 食育イベント(健康フェア、パネル展)
- 窓口・電話での相談対応
対象者が自覚症状のない人であることが多いため、行動変容を促すのは簡単ではありません。数回の面談では変わらないことも多く、根気よく長期的に寄り添う姿勢が求められます。
行政栄養士ならではの難しさと葛藤
行政の仕事は、成果がすぐに見えにくいという特徴があります。保健指導の対象者に実際に会えないことも多く、せっかく準備した講話や教室に人が集まらないこともあります。
病院では、改善が検査値などで可視化され、チームで共有できました。しかし行政では、「これで本当に伝わったのだろうか…」と感じる場面も少なくありませんでした。
自分の経験や知識を活かしたい気持ちと、手応えの薄さとのギャップに悩むこともありました。
病院と行政の管理栄養士、どっちが向いてる?
病院が向いている人の特徴
- 臨床栄養や医療連携に関心がある
- スピード感のある職場が好き
- 結果がすぐに見える環境でやりがいを感じたい
- 患者さんと密に関わりたい
行政が向いている人の特徴
- 健康づくりや食育に興味がある
- 安定した勤務体制で働きたい
- 地域の人と長期的に関わることにやりがいを感じる
- 成果が見えにくくても、人を支えたい気持ちがある
どちらも良い・悪いではなく、その時の自分に合った働き方を選ぶことが大切だと感じました。
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管理栄養士の転職、失敗しないために大切なこと
転職は、「やりたいこと」だけでなく、「自分が無理なく働けるかどうか」も大切な判断基準になります。
・ライフスタイルを整えたいのか?
・専門スキルを深めたいのか?
・地域に根ざした支援がしたいのか?
一度立ち止まって、自分の価値観を見つめ直すことが、失敗しない転職への第一歩です。
まとめ|病院も行政も経験したからこそ見えたこと
病院と行政、それぞれに違ったやりがいと難しさがありました。どちらか一方だけでは、気づけなかったことも多かったです。
転職は逃げではなく「選び直し」。
そのときの自分に合った場所を、また選び直していけばいい。そう思えるようになった今、もし同じように悩んでいる方がいたら、こう伝えたいです。
「自分の気持ちに、正直でいていいよ」
キャリアに迷う誰かの、少しでも参考になれば嬉しいです。